タコの吸盤、どうなってるの!

君も科学者,顕微鏡体験プログラム報告

君も科学者~タコの吸盤をしらべよう

 2024年1月27日(土)「君も科学者~タコの吸盤をしらべよう」を行いました。タコの足(腕)をカミソリで切って、吸盤のまわりにある筋肉を顕微鏡で観察しました。

みんなで顕微鏡観察

タコの足(腕)を用意しました。各自がぶつ切りにした足をさらにうすく切り、吸盤のまわりの筋肉がどうなっているのか実体顕微鏡で観察しました。

タコは軟体動物のグループに属していて、その足はじつにぐにゃぐにゃしています。吸盤のところの筋肉がどうなっているのかを調べるため、吸盤をカミソリで縦切りしようとするのですが、ぐにゃぐにゃの足を真っ直ぐに切るのは難しいですね。

でもみんな頑張って挑戦しました。なんとかうすく切って顕微鏡を覗きました。

タコの足の筋肉はどうなっている?

タコはボイルしたものなので、足を切った断面は真っ白で、筋肉がどこにどのようにあるのかとても見えにくいです。食紅を少しかけてやると、赤色の濃淡や光の当たる角度によって見えやすくなります。

足の断面で見ると、中央部には少しへこんで穴が開いて見えるところがあって目を引きますが、そこは神経や血管が通っているところです。その周りには、吸盤のすぐ下まで筋肉が縦横に規則正しく配列しているのが見えました。タコが足を縦横に自由に動かせるのはその筋肉のおかげなのですね。

タコの足を切って、赤く染めて、顕微鏡で見るという一連の作業は、中学生の参加者は手慣れたものでしたが、初めての小学生も上手にできていました。

最初は「どこかなぁ、わからない」という子もいましたが、「あっ、これか」と、見つけてうれしそうでした。

吸盤がくっつくのは?

吸盤の断面でみると、口の部分や内部、外側にもたくさんの筋肉があることがわかります。

各自が顕微鏡で観察した後、あらかじめ作成してあったプレパラートを拡大して筋肉の様子を見て説明しました。

吸盤が獲物や岩に密着すると、中の筋肉が収縮して吸盤内部が真空状態になり吸いつきます。ガラスにくっつけるビニール製の吸盤とおなじ原理ですね。離れたいときは、外側のひも状の筋肉が収縮して吸盤の口が開くと、中に水が入ることにより吸いついていたのが離れます。

うまくできていますね。

ほかにも血液や葉っぱの構造を見たよ

タコの筋肉の観察の後、時間があったので人の血液や植物の葉っぱのプレパラートを見てもらいました。顕微鏡で拡大してみると気付くことがいろいろあり、参加者のみんなは興味深く見ていました。

次回の「君も科学者」は3月23日(土)に細胞分裂を見ます。

ちょっと難しそうですが、年度最後の会にふさわしい観察ができるといいなと思っています。参加お申し込みをお待ちしています。

【コミュニケーター あきさん】