飛ぶタネをしらべたよ
君も科学者~飛ぶタネをしらべよう
2023年9月30日(土)「君も科学者~飛ぶタネをしらべよう」を行いました。毛やプロペラがあって風によって飛ぶタネを観察し、実際に飛ばしてみました。
カエデ、キク、ススキの実も採集
まずは野外へお出かけして、プロペラや綿毛のあるタネ(実)をさがしました。
プロペラのある実としてイロハモミジ、ウリカエデ、マルバアオダモを、そして綿毛のあるタネ(実)としてダンドボロギクやススキを採り、ほかにはアレチヌスビトハギやイノコヅチの実も採りました。
前もって用意していたトウカエデとフタバガキの実も使って、いろいろな形の飛ぶタネで実験・観察しました。
くるくる回るフタバガキの実
トウカエデの実は上へ向かって投げると、くるくる回って落ちてきますが、距離が短いのであまりよくわかりません。フタバガキの大きな実を屋上へ出るベランダから落としてみたところ、くるくる回る様子がとてもよくわかりました。
フタバガキは熱帯地方に生えている樹木で、30-40mの高さからたくさんの実がくるくる回りながら落ちてきたら、思わず見とれてしまいそうですね。私は熱帯地方で一度だけその様子を見たことがありますが、幻想的で素晴らしい眺めでした。
顕微鏡で拡大
プロペラのある実や綿毛を顕微鏡で拡大して見ました。トウカエデの実のプロペラには筋があることや、ダンドボロギクのタネ(実)の毛は、綿毛というより細長く、真っ直ぐに伸びた毛だということがわかりました。
プロペラの実のほかに、たくさんの曲がった毛があるアレチヌスビトハギの実や、鋭い針のようなトゲのあるイノコズチの実も見ました。
これらの実は曲がった毛やトゲによって人の衣服や動物の体にくっついて遠くに運ばれた後、地面に落ち、実の中にあるタネが発芽して次代の植物がそこに生えてくるのです。いわゆる「ひっつきむし」ですね。
植物の種子散布
植物はタネで増えますが、自分で歩くことができないので、より遠くの場所へタネをまいて子孫を増やしていくことができません。それで何らかの方法によってタネを遠くへ運び、自分たちが生える場所を増やそうとしています。
このようにタネ(種子)が遠くのいろいろな場所へ移動することを種子散布といいます。
タネを風で飛ばすことは種子散布の一つの方法です。種子散布には、風を利用するだけでなく、水を利用したり、自力で弾き飛んだり、動物に食べられたり、くっついて移動したりと、いろいろな方法があります。
植物はおとなしそうに見えますが、したたかな戦略を巡らせているのですね。
次回の「君も科学者」は来年1月にタコの足の吸盤・筋肉を調べようと思っています。これもまたおもしろいことがいっぱいあるので、科学好きのこどもたちが多数参加してくれるのを待っていますよ。
【コミュニケーター あきさん】