木の年輪っておもしろい!
君も科学者~年輪しらべ
2022年1月22日(土)「君も科学者~年輪しらべ」を行いました。木の幹の中がどうなっているのか、顕微鏡を使って詳しく観察し、年輪の構造などを調べました。
つるを採ったよ
まず最初に、つる植物の茎を採りに行きました。有馬富士公園の雑木林の木々にフジのつるがたくさん絡まっているところがあるので、適当な太さのフジのつるを採取しました。
フジのつるを吹くと泡が出る!?
採ったフジのつるをどうするのか?みんな興味津々。
水を入れたカップにつるを挿し、もう一方の端からプッーと息を吹きました。すると、あら不思議、つるからブクブクと泡が出たので、みんな「おおっ!」と驚きました。
長いつるでやってみると息を吹き込むのに強い力が要りますが、ちゃんと泡が出ました。
なぜ泡が出るのかを尋ねると「穴があいているんや」という返事。じゃあどんな穴か見てみようということで、ツルを短く切って顕微鏡で見てみました。
「あっ、穴があるのが見える!」と興奮気味に話す参加者のみんな。
あっ、穴が見えるよ この穴は道管です
デジタル拡大鏡でモニターに大写し、穴は「道管」というもので、水の通り道になっていることを説明しました。
年輪をしらべました
次に、こちらで用意したアカマツやアカメガシワ、エゴノキ、ハンノキの幹の標本や木材のプレパラート標本をつかって年輪を調べることにしました。
各種の幹の標本を見たところ、アカマツでは輪切り面に同心円状の濃い線ができていて、それが年輪であることは肉眼でもすぐにわかりました。
他の樹種では年輪がアカマツほどはっきりしておらず、肉眼ではほとんどわからないものもありました。
年輪を顕微鏡で見ると・・
つぎに年輪を顕微鏡で見て、フジで見られたような道管がどうなっているのかを調べてみました。
アカマツの輪切りでは、顕微鏡で拡大してもフジで見たような道管の穴が見えず、年輪と道管の関係はよくわかりませんでした。
アカメガシワの幹の輪切りを顕微鏡で見たら、こんどは道管の穴が見えました。
先ほどのフジのつるの道管ほど直径が大きくありませんが、多数の道管が横の方に並んで帯のようになっているのがみえます。そして、その上の方や下の方にも一定の間隔をあけて同じような帯があるのが見えます。その帯から帯までの間が1年間に木が成長して作られた木材、つまり年輪です。
研究用に作られたアカメガシワの材のプレパラートを見たら、染色してあるので道管の並び方がよくわかります。
アカメガシワ材の輪切り面の顕微鏡写真
大きな穴の道管は春につくられたもので、幹の外側へ行くにつれて道管の穴は小さくなっていきますが、それらは夏から秋につくられたものです。冬には道管を作るのが止まって、次の春にはまた大きな道管が作られるので、その繰り返しが年輪として見えるのです。
木材の構造は頭の中で立体的な空間把握をする必要があるので、初めての人にはなかなか難しいものです。
今回の参加者たちは実物を見たり顕微鏡で調べたりして、身近な木の幹の中が思いのほか複雑な構造になっているということがわかったのではないかと思います。
次回は冬芽をしらべるよ
君も科学者の次回予定は3月5日(土)に冬芽をしらべます。
科学好きの小学生の皆さんの参加をお待ちしています。
【コミュニケーター あきさん】