年輪をしらべたよ!
君も科学者~木の年輪をしらべよう
2023年2月18日(土)「君も科学者~木の年輪をしらべよう」を開催しました。
野外で切り株の年輪を見たあと、幹の輪切り材やプレパラートをつかって顕微鏡観察をして、木材の中や年輪がどんな構造になっているのかを調べました。
切り株で年輪を数えてみた
公園内の林の生態園へ行き、切り株を実際に観察して年輪を数えてみました。
古いアカマツの切り株では年輪がはっきりと見えました。幹の直径約40cmで年輪は40数年でした。
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ソヨゴなどの切り株では、はっきり見えるものは少ないですが、ルーペで見たりして数えてみました。みんな「あっ、見える!」とか、「これは見えない」とか言いながら、次々と観察していきました。
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幹の直径10cm前後で20数年のものが多かったです。
なかには直径15cmで15年とよく育っているものや、直径6cmで40年以上の細かい年輪がぎっしり詰まったものなどもありました。
顕微鏡観察はおもしろいなぁ
室内に戻り、こんどは幹を輪切りにした薄い円板をつかって、実体顕微鏡で年輪観察をしました。
野外では見えにくかったソヨゴやエゴノキの年輪も、実体顕微鏡を使って観察し、年輪を数えることができました。
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細胞レベルの木材の中は、難しい!
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つぎは生物顕微鏡で木材組織のプレパラートを観察しました。
プレパラートは、木材を薄くスライスして染色した切片をスライドガラス上に貼りつけたものです。
生物顕微鏡は下から光を当ててプレパラートを透過した光で見るので、実体顕微鏡と違って細胞レベルで拡大された木材の中の構造が見えます。
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細胞レベルで見た年輪はどんな構造になっているのでしょうか?
アカメガシワで輪切りの面を拡大して見てみましょう(下の写真)。
写真の左側が幹の中心側つまり内側で、右側が樹皮側つまり外側になります。中央付近にある大きな丸い穴にみえるのは、水が通る道管の断面です。左側にある道管の丸い穴は小さいですね。道管以外のたくさんある小さい細胞はおもには繊維細胞です。
画面の左側と右側を分けるように、中央部に小さな細胞が縦に列をなしてつながり、境界線ができているのがみえます。この境界線が年輪の境目です。
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年輪の境目の右側部分(大きな道管のある部分)は春につくられた材で、左側部分(小さな道管のある部分)は前年の秋につくられた材です。冬は寒くて、木材の形成も休止しているので、年輪の境目ができるのです。
木は水に沈むのか?
実験しました
木が水に浮くか、沈むかを実験しました。コンテナに水を入れ、木材のブロックを入れてみました。
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木はふつう水に浮くと思われていますが、中には水に沈む重い木があります。 実際に水に入れて、沈むのを見ると「本当に沈むのだ!」とあらためて感動します。
いろいろな木を浮かべてみました。
手で持って重くても、浮くものと沈むものがありました。
観察して考える
なぜ沈むのでしょうか?
その理由を考えるために、水に沈んだコクタン(黒檀)の仲間であるカキノキ(柿)と、軽い木として知られるキリ(桐)の木材組織をプレパラートで見て比較しました。
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カキノキの材は、繊維細胞の細胞壁が厚くて、ぎっしりと詰まっています。これが、材が水に沈むほど重い理由です。
一方、キリの材は細胞壁が薄くて、スカスカした感じになっているので、軽いのも当然と思えるのです。
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みんな顕微鏡観察やケイタイでの写真撮影も手慣れたもので、小さな科学者になっていました。
次回の「君も科学者」は、3月18日にスギ花粉を見る予定です。ホームページの申込フォームから申し込んでくださいね。
【コミュニケーター あきさん】