セミの羽化のおいわい

セミナリエ

2022年7月26日(火)と8月2日(火)にセミの羽化の観察会『セミナリエ』を開催しました。

『セミナリエ』は、セミがおとなになる、羽化(うか)の瞬間をおいわいするイベントの名称です。

キッピー山のラボでは今年は有馬富士公園を飛び出して、三田市内にある2か所の公園(深田公園と中央公園)で実施しました。時期や生息環境が変わると、どんなセミのおいわいのシーンに立ち会えるのか…と、コミュニケーターもワクワクしながらこの日を迎えました。

キッピー山のラボの『セミナリエ』は、まずはセミの抜け殻探しからはじまります。木の幹、枝、葉、そして植込みや茂み…いろんなところからセミの抜け殻が見つかりました。

集合場所に戻ってくる子どもたちは、手や帽子や袋いっぱいのセミの抜け殻を持ち、達成感にみちた表情を浮かべていました。みんなで探すとあっという間にいっぱい集まった様です。

その後、みんなで協力して、どのセミの仲間か分類すると…、それぞれの場所でこの季節出会うことができるセミの種類がわかりました。

深田公園では既にセミの抜け殻探しの時に、ちらほら動くセミの幼虫や羽化をはじめるセミの姿がみられたようです。夕暮れ時の公園は少しずつ暗くなっていきます。子どもたちにおいわいの光のわっか(ライト)を目印につけてもらっていたので、光を探してその場所にもどることになりました。

「あっ!みて!」羽化をはじめるセミの姿に子どもたちは大喜びです。息をのむようにしゃがみこんでじっとその後の姿を見届けている子、他のセミがどうなったか気になって何度もいろんな光のわっかを往復して観察する子…それぞれの観察スタイルで心ゆくまでおいわいしてもらいました。

暗くなって動きはじめた幼虫も何匹か発見できました。セミにとってどこで羽化をするかはとても重要なこと。じっくりその場所を吟味してなかなか動きをとめないセミの幼虫に出会いました。…中には羽化の途中でアリに食べられてしまうセミの幼虫もいました。…すべて自然の中の出来事。子どもたちも肌でうまれてくる大変さを実感した様子でした。

中央公園では、セミの抜け殻探しをした後、少し暗くなってから動きはじめる幼虫探しを始めました。羽化をはじめたのが20時過ぎのセミがほとんどだったので、何人かの子どもたちは帰ってしまってセミの羽化はみることができませんでしたが、抜け殻ではなく、動くセミの幼虫をみてすごく驚いていました。また、夜の公園には昼間には出会えないいきものたちがいたようです。公園は人が自然をたのしむ場所でもあるけれど、いきものたちにとっては暮らす棲み処なのだと改めて実感できた夜でした。

両公園とも21時の解散の時間まで、セミの羽化をじっくり観察することができました。セミが自分のちからでじっくり時間をかけてうまれてくるその姿をみて、子どもだけでなく、大人もとても感動していました。羽化したセミの羽の美しい淡緑の透明感を間近でみることができ私も胸が熱くなってしまいました。

この季節ならではのいきものとの出会いです。

『セミナリエ』を体験した後は、翌朝からセミの鳴き声がまた違ってきこえてきます。

うまれてきて、よかったね!

【コミュニケ―ター うたこさん】

Posted by kippy-labo